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「出会い系」で70人に会って、本をすすめまくった私が手に入れたもの [本]

「出会い系」で70人に会って、本をすすめまくった私が手に入れたもの

出会い系サイトで、そんなことをする女性って、尊敬してしまう。

私はもう年ですから、下心で女性に近づくなんてことはありませんが、知らない女性と、知的な会話をしたいと思うことがよくあります。そういう会話ができる、しかも気の合う女性はなかなかいません。

男性では数名います。彼らと話をしていると、本当にいつまでも話をしていたいと思うのです。そういう楽しみを性差を超えて持ちたいのですが、なかなかその機会に恵まれません。

ある程度知的な会話が楽しめる女性に近い存在もいることはいます。しかし、話が深まらず、あっちこっちに転がるので、欲求不満になるのです。やはり彼女も女性にありがちな会話のスタイルなのです。

出会い系サイトに登録すれば、花田菜々子さんのような女性を見つけることは可能なのでしょうか。

それはさておき、もし私が花田さんと話す機会があったとしたら、彼女は私にジャック・ケルアックの『オン・ザ・ロード』を勧めるかもしれません。私の家にも文庫本が一冊ありますが、どこへ行ったかわかりません。買ったはいいが、もう20年以上手を付けていないのです。その間に、私は旅に出る気力も冒険心もすっかり失ってしまいました。出会い系サイトに登録する勇気さえありません。


石牟礼道子さん死去 [本]

訃報:作家の石牟礼道子さん死去 90歳 「苦海浄土」 - 毎日新聞

石牟礼道子さん死去 水俣病を描いた小説「苦海浄土」:朝日新聞デジタル

石牟礼道子さんが亡くなった。私が読んだことがあるのは『苦海浄土』の第1部。3部構成なのだが、第1部でもあまりに長い。

『苦海浄土』は、熊本県で発生した水俣病をめぐる人々の言葉を小説にしたもの。水俣病の原因を作ったチッソの過失を訴える住民がほとんどだったはずだ考えていた私は、水俣病の患者であっても、その企業のおかげで水俣の人たちは生きていけるのだから、責めてはいけないとか、れっきとした水俣病患者であるにもかかわらず、私は患者ではないと頑固に言い張る者がいることに驚きを隠せなかった。ものごとはそう単純ではないのだ。

『苦海浄土』を読みながら、私の頭のなかでは、水俣病と東日本大震災のときの原発事故と重なった。さらには、米軍と沖縄の問題、ひいては、アメリカと日本の問題を考えてみるきっかけになるかもしれない。

この世界は苦く、そして汚い。我々はこの「苦海」に、どうやったら「浄土」を見い出せるのか。

『苦海浄土』には、水俣弁があふれ、関東の人間には、実際まったくわからないところもある。しかし、石牟礼さんの筆力のおかげで、苦もなく読み進むことができる。石牟礼さんの文章に込められた鬼気迫る迫力が、まさに自分も現場にいるかのような錯覚を覚えさせるのである。

方言を効果的に活用した点が、町田康に多大な影響を与えたという『毎日新聞』の解説は至言である。もちろん、方言の魅力を活かした作家は、宮沢賢治などもいるが、賢治と石牟礼とでは、迫力がまったく違う。

読んだことがないなら、いますぐ読むべき小説である。日本人の必読書の一つだと思う。


新装版 苦海浄土 (講談社文庫)

新装版 苦海浄土 (講談社文庫)

  • 作者: 石牟礼 道子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/07/15
  • メディア: 文庫



エヴゲーニイ・ザミャーチン『われら』を注文 [本]





高校時代だか、大学時代かに、島田雅彦の本で知った作家だけれど、いまだに1冊も読んでいないので、買って読んでみようと思う。このディストピア小説はいまの時代にぴったりかもしれない。



われら (集英社文庫)

われら (集英社文庫)

  • 作者: エヴゲーニイ ザミャーチン
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2018/01/19
  • メディア: 文庫



朝、犬の散歩に行ったのだけれど、路面が凍結していて、恐ろしく歩きにくかった。道路を歩くのは怖かったので、公園を突っ切ったら、まだ雪が20センチ以上積もっていて、愛犬(ミニチュアピンシャー)が、雪に埋もれて歩きにくそうだった。

日陰の道路は雪国の道路のように、白く凍結していて、クルマも走りにくそうだった。西日に当たるところでは、いったん解けた部分がブラックアイスバーンになっていて、4本足の犬でも滑って危険だった。

この状態では、坂道を走るのは相当怖い。昼過ぎにならないと、クルマで外出することは避けた方がいいかもしれない。

仲正 昌樹、『今こそアーレントを読み直す』 [本]


今こそアーレントを読み直す (講談社現代新書)

今こそアーレントを読み直す (講談社現代新書)

  • 作者: 仲正 昌樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/05/19
  • メディア: 新書



年末から1ヶ月もかけてだらだらと読み続け、やっと読み終えました。

本を読み返さずに、私の記憶に残っていることだけを思い出しながら、この本を説明してみます。

初期のハンナ・アーレントは、個人の利益を超越し、ひたすら社会的な善を追求するための自己鍛錬を惜しまない複数の個人が作り出す自由な議論が行われる場を政治(ポリティクス)と捉え、その場に積極的に関わろうとするものをアクター(actor)=市民とし、われわれはそうならなければいけないと主張した。そして、そういう存在になろうとしないものはすべて、愚かな「大衆」であると見なした。

一方、後期になると、彼女は、政治に直接参加してしまうと、客観的にものを見ることができなくなるゆえに、傍観者の存在も重要であると主張を変える。演劇のたとえを借りれば、俳優が俳優として成立するためには、観客も必要だということだ。

上記を理解していれば、ヒトラーのようなポピュリストに扇動されることもないでしょうし、アイヒマンのように思考停止にも陥ることはないでしょう。つまらないまとめかたになってしまいましたが、この本自体は、政治や社会を見る上で非常に参考になるし、仲正さんの説明も独特なので、けっこう楽しめるはずです。私がまとめたことだけを覚えておいて、最初から読めば話についていきやすくなると思います。

比較的最近読んだ本の写真 [本]

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ほぼすべておすすめです。読むものがなかったら、ぜひ手に取ってみてください。これからの日本はどうあるべきなのかや、今後自分はどう生きるべきなのかを、考える標(しるべ)になると思います。

私は年々貧乏になっていくので、なかなか本が買えなくなりました。学生時代や独身時代はひと月あたり2万円ほど洋書を含めて買っていたのですが、いまは1000円から2000円しか使っていません。買いたい本や読みたい本はいくらでもありますが、読む時間もないし、お金もないし、老眼が進行して読むのが辛くなってきているし、いろいろ我慢していません。なんとも切ないですね。


追記:昨日と本日、4キロずつジョギングをしました。この週末は非常に寒いので走っている人をほとんど見かけませんでした。走ったあとは、爽快感もなく、疲労が残るだけです。まだまだ体力が回復していない証拠なのでしょう。精進します。

夕方、ガソリンスタンドへ行き、給油。ついでに空気圧をチェック。フロント270、リア260に上げました。このところ乗り心地が悪いと思っていたのですが、空気が抜けていたようです。2ヶ月位放置していたせいでしょう。調整後は、乗り心地が良くなりました。


ナサニエル・ホーソン『完訳 緋文字』(岩波文庫) [本]


完訳 緋文字 (岩波文庫)

完訳 緋文字 (岩波文庫)

  • 作者: N. ホーソーン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1992/12/16
  • メディア: 文庫



大学時代に授業で習ったのだけれど、当時は何が良いのかピンとこなかったので、実際に手にとることさえなかった小説だった。ところが読んでみたら、傑作中の傑作であるとわかった。この作品が傑作である理由は3つある。

1つは、3人の人物それぞれに共感ができること。姦婦ヘスター・プリン、彼女の不倫相手であるアーサー・ディムズデール牧師、実夫のロジャー・チリングワースのいずれかを一方的な悪者にするようなッキ方がされていないのが現代的に思える。

2つ目は、1つ目の要素にもつながるが、ホーソーン独特の多項目選択的記述の書き方がされていることだ。ヘスターの胸に付けられたAの文字は、一般に姦通(adultery)のAだと思い込まれているが、それだけではなく、有能な(able)のAとも(231ページ)、ArthurのAとも、American womanのAとも受け取れることが可能なのだ。他にもantagonism(反抗)やanthem(讃歌)、antiquity(古風)など、考えられるものもある。多様な解釈を許すのは、モダニズム以降の文学作品の専売特許ではなかったのである。

3つ目は、これまた2つ目の要素につながるが、メタフィクション的な要素があることだ。虚構の中に虚構を持つ入れ子構造になっているのである。著者が勤務先の税関で、ある文書を発見し、そこからいつの間にかフィクションに入っていくのであるけれど、税関でこの文書を発見したというエピソードもフィクションなのである。この書き方を発明した功績は実に大きいと思う。

小説を読みながら、大学時代に亡くなった恩師が授業の中でこの作品への思いをたっぷりと語っていた記憶が蘇ってきた。私が若いときにこの小説を読んでいたとしたら、退屈な作品だとしか思えなかっただろう。恋愛の「れ」の字も知らない青年時代の私にとって、不倫をめぐる大人の感情に共感できるすべなどなかったはずだからだ。

学生時代にフローベールの『ボヴァリー夫人』を読んだときには、不倫をする側の気持ちにいくぶんかは共感できた。だが、不倫をした後の男女、そして寝取られた夫の苦しみは理解できなかったはずだ。こういう大人の小説は、大人になってからしか読んではいけないのかもしれない。

千野帽子『人はなぜ物語を求めるのか』 [本]


人はなぜ物語を求めるのか (ちくまプリマー新書)

人はなぜ物語を求めるのか (ちくまプリマー新書)

  • 作者: 千野 帽子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2017/03/06
  • メディア: 新書



数日前に読み終えたのだけれど、私の印象に強く残ったものは、あまりない。この本の主旨を簡潔にまとめればこうだ。人は「物語」を好む。だが、人は自分が作った(あるいは誰かが作った)「物語」に苦しめられたり、他人を苦しめることがあるということ。この本は、それを伝える「物語」をうまく構築できていないので、千野さんの主張に説得力が感じられない。やはり「物語」は大事なのである。


中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)

中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)

  • 作者: 國分功一郎
  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2017/03/27
  • メディア: 単行本



何年か前に、國分功一郎さんの『暇と退屈の倫理学』を読み、「ふーん」と思った。私自身が退屈そのものだったからこそ、あまりピンと来なかったのかもしれない。今回の『中動態の世界 意志と責任の考古学』はなんだか、食欲をそそるタイトルである。私もなんとなく、能動態と受動態の間にはなにか1つ別の位相が存在しているような気がしていたからだ。その感覚は日本人ならわかると思う。積極的でもなく、受動的でもない態度というものはあると考えている人は案外多いのではないか。英語はSVOが基本で、だからこそ主客が逆転する受動態が成立する。しかし、おもしろいことにインド・ヨーロッパ語族には、能動態でもなく、受動態でもない、その中間の態が存在していたという。それこそ、このウンコ臭い世界を、生きやすい無臭空間に変えてくれるものかもしれない。暇で退屈したら、ぜひとも読んでおきたい。年末あたりに読もうかな。その前に数冊読まなければならない本があるので、楽しみは、しばらくお預けである。


竜田一人『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1)-(3)』 [本]

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先日購入した第3巻をようやく読み終えました。3巻は、2014年頃の様子を描いたもので、すでに2015年に出版されていたことを寡聞にして知りませんでした。

3巻は1巻と2巻とは違って、竜田さんの危機感が欠如しているように思えます。福島第一原発の自己処理も安定期に入っているのだと感じました。

この3冊を通じての竜田さんの関心は、原発事故の責任を問うことでもないし、事故処理の利権をめぐる人々の醜さを描くことでもありません。竜田さんは、現場作業員たちの日常を淡々と描き、また彼らのおかげで、日々事故処理が着実に進んでいく様子を漫画にしていきます。このような形での現場の記録は、東日本大震災および福島第一原発の事故の衝撃を知らない若者、あるいは、記憶に残っていない若者たちにとって非常に貴重なものになると思われます。

余談ですが、私の実家は、「いちえふ」から80kmのところにあり、れっきとした被災地です。高台にあるため津波の被害はありませんでしが、地震の被害を受け、床下の一部が陥没したり、家族は1週間以上、電気も水も供給されない過酷な生活を送りました。もちろん風呂に入れませんでした。私は埼玉に住んでいるので、現場にクルマで行くことすら許されていませんでした。交通渋滞を引き起こせば、災害支援の人たちに迷惑をかける事になるし、そもそも埼玉でもガソリンが給油できなかったのです。行きたくても行くことが出来ませんでした。電話で連絡が取れたのも、災害発生から1週間近く経ってからでした。その間本当に心配して夜も眠れませんでした。放射能汚染に関しても、当時の私は知識がなかったので、過剰に心配し、また、心配するのを避けるために、あえて知識を仕入れないようにした記憶もあります。今考えると、正常な精神状態ではなかったと思います。おそらく、そのような経験をした人は多かったに違いありません。

この漫画を読んで、なぜ日本人はこのような目に遭わなければいけないのか、あらためて考え直すきっかけになってくれることを期待します。


いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1) (モーニング KC)

  • 作者: 竜田 一人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/04/23
  • メディア: コミック




いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(2) (モーニング KC)

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(2) (モーニング KC)

  • 作者: 竜田 一人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/02/23
  • メディア: コミック





いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(3) (モーニング KC)

いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(3) (モーニング KC)

  • 作者: 竜田 一人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/10/23
  • メディア: コミック


矢部宏治、『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』 [本]

先週の日曜日は、川越に行き、クルマを市役所の駐車場に停めて、街歩きを楽しみながら、「小江戸蔵里」まで行って、お土産を買い、敷地内にある「まかない処大正蔵」というレストランで久しぶりに家族揃ってランチを楽しみました。少食な妻は商店街で食べ歩きを楽しむために蕎麦を選びましたが、我々男どもは豚の角煮定食を選びました。五香粉(ウーシャンフェン)の香りがきつく、若干食べにくい感じがしました。ということで、今晩は、私が豚の角煮を作りました。いつものように味付けは甘めにし、煮玉子も付けました。

もちろん、私のプライベートな面は「知ってはいけない」ことではなく、「知らなくてもいい」ことでしょう。しかし、これから紹介する矢部宏治著『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』 (講談社現代新書)に書かれていることは、日本人として、「知ってはいけない」ことではなく、「知っておいかなければいけない」ことです。

15年以上前、小説家の田中康夫さんが長野県知事を務めていた頃、航空事情に詳しい田中さんが、浅田彰さんとの対談集『憂国放談』の中で、「東京の上空は日本の航空会社が自由に飛行できない」ということを語っていて、非常に驚いた記憶があります。日本は、戦後何十年経ってもいまだにアメリカの支配下に置かれていることに呆れ果てました。

この事実に関して、この本の著者である矢部宏治さんはもっと掘り下げています。日本は米軍にとっていまだに占領地ですから、事実上アメリカの属国です。よって、アメリカ(アメリカ軍)の主張は全面的に従わなければいけません。

保守政権を自負する自民党であっても、実際に保守しているのは、このような戦後の「対米従属」の姿勢であり、独立国における「自由」と「民主制」ではありません。自民党が、「自由」をアメリカの手から取り返そうとする度に、首相が交代させられてきました。田中角栄が中国の周恩来とアメリカの許可を得ずに、直接国交を結んだことは歴史的な事件でした。その後、田中角栄は、ロッキード事件というアメリカの陰謀めいた事件で、政権から追放されました。

直近では、民主党政権が誕生し、鳩山由紀夫首相が、日本がアメリカから独立する第一歩として、沖縄から米軍基地を追い出そうとしましたことは記憶に新しいと思います。ところが、アメリカにルーピー(キチガイ)扱いされ、あっという間に、首相の座から引きずり降ろされました。

残念ながら、ことほどさように日本は普通の国ではないのです。その証拠に、日本の上空は、ほぼ全面的に、米軍に支配されています。沖縄、岩国、横田の上空には、アメリカ軍の許可なしには、日本の飛行機は飛ぶことができません。しかも、緊急事態が発生した場合、アメリカ軍が日本全土を自分たちの軍隊が活動できるように密約が取り交わされており、戦争が勃発した場合には、米軍は日本の自衛隊を自由に使うことができるとなっているのです。

野党を支持する人たちならば、そのようなことは仄聞しているはずです。しかし、自民党を支持する人たちは、それを知らないのかもしれません。もしくは、知っていても、「現状に甘えて」、知らないふりをしているのかもしれません。そういう日本人を、われわれはとうてい愛国者とは呼べないでしょう。

自民党は憲法9条に自衛隊を明記するとしています。しかし、それをすれば、憲法違反を主張する日本人の意見をものともせず、アメリカ軍は自衛隊を思いのままに動かすことができるようになります。そのような形で、他国に主権を譲ることが、独立国の人間のすることなのでしょうか。

この本は、ベストセラーになっていますから、すでにお読みの方が多いかもしれません。しかし、もしまだ目を通しておられないならば、ウヨクもサヨクも関係なく、是非とも読んでいただきたいと思います。もはや、日本がアメリカの属国であるということは、日本人が知らないふりをしていられない硬い事実(ハードファクト)であって、陰謀論なんかではありません。


知ってはいけない 隠された日本支配の構造 (講談社現代新書)

知ってはいけない 隠された日本支配の構造 (講談社現代新書)

  • 作者: 矢部 宏治
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/08/17
  • メディア: 新書




人はなぜ物語を求めるのか [本]

人は「自分のストーリー」で苦しむ… 人生をちょっと楽にするヒント

人間は物語を求める。近頃のCMはめっきりストーリーものが多くなった。いま買うと(契約すると)、何割安くなるというようなスタイルがすっかり消えた。大学の英語の授業では(英会話に役に立たないものの筆頭として)小説を一切扱わなくなったのに比例して、人々の心に深く訴えるのはストーリーだということに人々が気づき始めているに違いない。

物語は、因果関係という側面がある。人間は、AがあったからBがあり、BがあったからCがあるという因果関係の連続として、時間を理解する習性がある。それを物語という。歴史をフランス語では、Histoireという。その同じ単語が物語の意味を持つ。歴史もまた物語だからだ。歴史も誰かの視点で書かれた物語なのである。歴史は後の権力者の都合に合わせて書かれたものであり、そうではない視点から見た歴史も必要だとして、歴史修正主義が生まれたわけだ。敗者から見た歴史、女性から見た歴史など

文学は、そんな因果関係を下にした物語をベースにしている物が多いし、多くの読者はそれを求める。しかし、因果関係をぶち壊すタイプの物語もある。それが20世紀に始まるモダニズム文学だった。それは私の専門だ。

著者の千野帽子さんのことはよく知らないが、もしかしたら、私の専門分野と大きく関わっている人のような気がする。

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